毛孔性苔癬があっても脱毛できる?一緒に治療もできる?

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    • 公開日: 2016.10.11
    • 更新日: 2024.10.21

毛孔性苔癬があっても脱毛できる?一緒に治療もできる?

二の腕や背中のニキビではないブツブツ…美肌を目指す女性にとってはすごくコンプレックスです。これは毛孔性苔癬(もうこうせいたいせん)という皮膚の疾患です。まれに顔に出来てしまうこともあるので、普段から予防を心がけたいですね。

毛孔性苔癬とは?

毛孔性苔癬(もうこうせいたいせん)とは、皮膚にできる吹き出物です。皮膚が角化する疾患の一種であり、毛孔角化症という別の呼び名もあります。多数のブツブツが広い範囲に生じ、一つ一つは肌色、または赤褐色の色素沈着をしています。

皮膚病といっても悪性ではなく良性タイプなので、症状が現れても気づきにくく悪化もしにくいです。その点では安心ですが、放置するのはおすすめできません。とくに夏場、街中では半袖からのぞく二の腕に、慢性化していると思われる毛孔性苔癬がある人をよく見かけます。

はたから見てもブツブツ・ポツポツは目立ちますし、手で触った感じもデコボコ・ザラザラしているので、治療してキレイにしたほうがいいですね。

毛孔性苔癬の原因は?

毛孔性苔癬の一番の原因は遺伝です。ホルモンバランスが乱れたときも発症しやすいとされています。とくに10歳代の若い女性がなりやすいことが特徴で、30歳代くらいまで年齢を重ねると、自然と目立たなくなることもあります。

また、後天的な要素にシェービングや肌の乾燥があり、発症した毛孔性苔癬を著しく悪化させます。とくにカミソリやシェーバーを使った毛剃りは、皮膚の水分蒸発を防ぐ役割をしている角質を傷つけ、肌の乾燥を招きます。また、角質、表皮が硬くなったり、毛穴がつまったり周囲の角質が分厚くなったりすると、ブツブツとした毛孔性苔癬が増悪します。別名「毛孔角化症」と呼ばれるように、文字通り「毛孔(毛穴)」が「角化(角質化)」した状態に悪化するのです。

角質層には皮膚を外的刺激から守るという役割がありますが、皮膚のターンオーバーが遅くなり、古い角質が剥がれ落ちにくくなると、皮膚はごわついてザラザラしてきます。肌が、サメ肌や鳥肌のような質感で気になっている場合は、もしかすると毛孔性苔癬になりかけているのかもしれません。予防のためには、第一に自己処理による脱毛やシェービングをしないこと、そして普段から肌を清潔にして、肌を柔らかく保てるように保湿をしっかりと行うことが大切です。

よくできる部位は?

通称「二の腕のブツブツ」とも言われるほど二の腕によくできることが知られています。ほかにも毛孔性苔癬ができやすい部位に背中、お尻、ふともも、顔があります。

ニキビとの違いは?

毛孔性苔癬になると、丘疹ができて場合によっては赤みを帯びるため、ニキビと混同する人も多いようです。両方とも、表皮の代謝が悪くなり毛穴がつまってしまうところは同じですが、ニキビの場合は、皮脂や汚れを栄養にして繁殖したアクネ菌などが毛穴の炎症を引き起こすので、程度が悪化したり痛くなったりします。毛孔性苔癬の場合は、表皮や毛穴を傷つけたりしなければ細菌によって悪化することはほとんどありません。

治療方法

代表的な治療方法は、薬の塗布、皮膚科でのレーザー治療です。

毛孔性苔癬は感染性もなく、放っておいたせいで悪化することはほぼないのですが、若いときに発症すると、見た目のブツブツやザラザラした肌触りが長い期間続くことになります。思春期や若いときこそ、そんな醜い肌は気になってしかたがないもの。30歳代になって自然と消えるまで待とう!なんてことは、到底思えませんよね。

治療方法のうち、一番手軽なのが尿素を配合した塗り薬を患部に塗布することです。ドラッグストアで手に入る市販薬や、皮膚科などで処方される薬があります。

尿素配合の塗り薬で毛孔性苔癬を治療する

ドラッグストアに行くと、市販薬では「ザラプロ(ロート製薬)」などが見つかると思います。皮膚科の保険診療で処方される薬では、「ケラチナミンコーワ」もしくは「パスタロン」が一般的です。これらは尿素配合で成分はほぼ同じであり、下記のステップで毛孔性苔癬を治療していきます。

1.毛穴詰まりを解消するため周辺の角質を柔らかくする(尿素など)
2.肌のターンオーバーを促進する(血行を促進する成分など)
3.炎症を抑えて早く治りやすくする(抗炎症成分など)
4.肌荒れに効く成分で肌の状態を整える(うるおい成分やビタミンCなど)

どのくらいで治る?

年齢が若いときに発症したのなら、肌のターンオーバー自体はそれほど鈍化していないと考えられます。普通、肌の古い角質が剥がれ落ちてまた新しく生まれ変わるのに、最短でも3週間(21日)は必要ですので、治療期間は3週間から4週間(28日)が目安になります。薬によっても成分や用法容量は異なりますので、必ず薬の説明書や医師の処方箋を確認しましょう。

美容皮膚科でのレーザー治療やケミカルピーリング

美容皮膚科を受診して治療する方法には、レーザー治療やケミカルピーリングがあります。皮膚科では、自由診療で処方される薬に「レチノイド外用薬」もありますが、手軽さと効果の両方を求めるなら、施術後のダウンタイムがほぼないケミカルピーリングをおすすめします。

レーザー治療

代表的なものは「フラクショナルCO2レーザー」です。肌に炭酸ガスレーザーの光をドット状に照射して細かな穴をあけ、真皮層のコラーゲン生成を活性化させると同時に、有効成分を浸透させていくことで、毛穴の詰まりの改善やニキビ治療を行います。療で処方される薬では、「ケラチナミンコーワ」もしくは「パスタロン」が一般的です。これらは尿素配合で成分はほぼ同じであり、下記のステップで毛孔性苔癬を治療していきます。

施術費用は、全顏1回あたり1万数千円程度で、通院は5回から10回程度継続したほうが効果的です。そのため、全顏の場合はトータル6万円〜10万円前後かけて治療するのが一般的です。毛孔性苔癬の場合は両腕で照射範囲が広くなるので、治療費用が若干高くなる傾向にあります。

ケミカルピーリング

顔の場合はサリチル酸マクロゴールという薬剤をお肌に塗り、その酸の力を利用して皮膚の角層を薄く剥離する治療方法です。これによって、肌のターンオーバーの正常化が促され、毛穴や肌の状態が改善していきます。自己流は大変危険ですが、医療機関でやる場合は肌への副作用が少ないことが最大のメリットです。

2週間〜4週間に一度のペースで、5〜6回通院すると効果的です。当ビューティースキンクリニックでもご提供しているメニューであり、全顏の施術を5回受けられるセット料金は39,800円(税込43,780円)と、レーザー治療と比べて安価です。

脱毛で治る、改善するというのは本当?

脱毛して毛穴の開きが小さくなれば、毛孔性苔癬も改善するという説があります。自己処理による脱毛や、エステの光脱毛やクリニックの医療脱毛によって、毛孔性苔癬の症状は治療できるのでしょうか?そして、レーザー治療と医療レーザー脱毛とで迷った場合は、どちらを選ぶとよいのでしょうか?

毛孔性苔癬のある部位を自己処理するのは危険

自己処理の脱毛で毛孔性苔癬が治ることはありませんし、そもそも肌へのメリットがありません。自己処理による脱毛とは、カミソリやシェーバーでの毛剃りや、ピンセットによる毛抜きなどですが、肌への負担が非常に大きいので、美肌を目指す人にはおすすめできません。

毛孔性苔癬の症状があるお肌にも、自己処理は厳禁です。表皮は硬くてデコボコ・ザラザラしていますから、カミソリの刃がひっかかりやすく、自己処理によって表皮を削り取ってしまったり毛穴が傷ついてバイキンが入ったりすることでさらに角化する恐れがあります。毛孔性苔癬の症状を改善するどころか悪化させてしまうので、自己処理はしないでください。

どうしても自己処理をしなければ…というときは、必要最小限の範囲で行い、脱毛後の保湿をできるだけ入念に、優しく行うことを心がけてください。

医療脱毛のレーザーならば脱毛効果と治療効果の一石二鳥

エステの光脱毛とクリニックの医療レーザー脱毛を比較した場合は、医療レーザーのほうに軍配があがります。なぜなら、医療脱毛のマシンのうち、「ジェントルマックスプロ」に搭載されているアレキサンドライトレーザーには、「ブツブツの改善(毛孔性苔癬の治療)」の効果が報告されています。

すべてのクリニックにアレキサンドライトレーザーが用意されているわけではありませんので、その点はご注意くださいね。ちなみに、アレキサンドライトレーザーの波長は755nmで、脱毛効果も高いうえに、肌の比較的浅いところにレーザーが届きます。しかも、背中のような広い部位も、顔のような凹凸のある細かい部位にも照射可能です。表皮や少し奥のほうのメラニン色素を効果的に破壊してシミやあざ、ニキビ跡などの色素沈着も、毛孔性苔癬の治療もできるという、一挙両得な美肌レーザーなのです。

レーザー治療とレーザー脱毛を比較するとどちらがいい?

レーザー治療は、顔にたくさんシミなどがあって重点的に治療したい方には効果的です。ただ、毛孔性苔癬ができやすい比較的若い方は、肌が不潔に見えてしまうブツブツの症状や、濃いムダ毛のほうが気になるケースも多いことでしょう。両方いっぺんに対処したい場合は、アレキサンドライトレーザーが効果的です。

また、ムダ毛が気になると初めは手軽なカミソリで自己処理をすることが多いので、毛穴が塞がってしまい、毛孔性苔癬に加えて埋没毛も出来やすくなります。これも医療レーザー脱毛で対策することができます。 埋没毛の問題は、皮膚の下で発生するので目に見えないこと、見える状態になると見た目が悪いこと(毛が皮膚の下をはっているのが透けて見えます)、そして自分では取り出せないことです。

アレキサンドライトレーザーを使えば、自分では手出しできない埋没毛にもレーザーの光が届き、毛根が破壊された埋没毛の自然排出が期待できます。

ムダ毛が気になるからといって自己処理を繰り返すと、毛孔性苔癬も埋没毛も増える傾向にありますし、埋没毛を自分で無理やりほじくりだすのは、もっと肌を傷つける行為ですのでやめましょう。

まとめ

二の腕や背中、顔などに毛孔性苔癬のブツブツがあっても、医療レーザーを照射して問題なく、脱毛することができます。一方、毛孔性苔癬がある肌にカミソリなどをあててムダ毛を処理すると、肌の痛みや乾燥が原因で症状が悪化してしまいます。

毛孔性苔癬を治療して肌をキレイにしていく方法を考えた場合、尿素配合の塗り薬やケミカルピーリングという選択肢がありますが、医療レーザー脱毛も「ムダ毛処理・毛孔性苔癬の改善・埋もれ毛の改善が同時に期待できる」という点でおすすめです。

永久脱毛したい部位に毛孔性苔癬の症状がある場合は、アレキサンドライトレーザーで治療できる可能性がありますので、ご興味のある方はカウンセリングなどでご相談ください。1回の施術でも症状を改善する効果が期待できますが、永久脱毛のついでに、5回前後通院していただきながら、ツルスベ肌を目指していただくのがおすすめです。

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