「ホクロがあるから医療脱毛ができない…」、「顔にレーザー照射するとシミが増えるのでは?」と“勘違い”されている方が非常に多いです。
安心してください。ホクロがある場合でも問題なく医療レーザーを照射して脱毛することができます。特に顔脱毛の場合は、ホクロやシミが目立たなくなる“副次的”な効果もあります。顔にシミがあると老けた印象になりますし、ホクロも場所や大きさによってはチャームポイントになるものの、気に入らないホクロはシミと同様に邪魔なだけです。もし顔脱毛のついでにホクロやシミも薄くできるのであれば、嬉しいですよね。
ただ、注意しなければいけないこともあります。肝斑がある女性の場合はレーザーを照射すると悪化してしまいます。今回は、この顔脱毛の脱毛以外の効果について解説いたします。
目次
顔脱毛でホクロやシミが薄くなる理由とは
ホクロやシミの褐色や黒い色は、肌の奥に潜んでいるメラニン色素の量によって、濃さが変わってきます(ホクロには他にもタイプがあります)。
表皮に現れている色というのは、奥のほうの真皮に溜まったメラニンが薄く透けて見えているにすぎません。実はもっとたくさんのメラニンが、肌の内側には溜まっているのです。
顔脱毛をするとホクロやシミが薄くなるのは、レーザーが毛根のメラニン色素だけでなく、この肌の内部に溜まったホクロやシミのメラニンにも反応するためです。毛根のメラニンが熱ダメージを受けて毛が脱毛するというメカニズムと同じで、ホクロやシミの色素も熱ダメージを受けて、徐々に薄くなっていく、というわけです。
レーザー照射後にシミが濃くなるというのは本当!?
レーザーが照射されてホクロやシミのメラニン色素に作用すると、停滞していたメラニンが蹴散らされて拡散し、表皮のほうへと押し出されてきます。その結果、一時的にホクロやシミの色は以前よりも濃く見えるようになります。
「レーザーを照射するとシミが増えるのでは?」という誤解は、この現象からきていると考えられます。
一時的とはいえ、薄くなると思っていたホクロやシミが濃く見えるのですから、驚いて心配になるかもしれませんね。でもこれはホクロやシミが目立たなくなる前に必ず起きる前兆とも言えますし、まったく問題のない現象なのです。
表皮のほうに浮かびあがってきたホクロやシミのメラニンは、色が濃ければかさぶた状になって、レーザー照射を1回か2回程度した後にポロリと剥がれ落ちます。薄めの色であれば、表皮が生まれ変わるサイクルとともに自然と消えていきます。
ホクロがある場合も顔脱毛はOK。その際の注意点とは?
顔脱毛にまつわる大きな誤解はもう一つあり、それが「ホクロがあるから医療脱毛できない…」というものです。これについては確かに、ホクロの種類によっては、レーザーを照射できない場合があります。
医師が専門的に見て判断することですが、一般的には、直径が5mm以上で形が左右非対称だったり色がまだらだったりする不整形のホクロは、レーザー照射を避けることが多いようです。なぜかというと、そうしたホクロに刺激を与えると、悪性黒色腫に発展してしまう恐れがあるからです。
その場合でも、ホクロにテープを貼ってマスキングすれば、他の部分にはレーザーを問題なく照射できるので、ホクロがあるからといって顔脱毛ができないわけではありません。
また、レーザーを照射できるホクロだけど、私はあえて消したくない! というときや、濃いホクロはチャーミングだけど色が薄くなってしまうとシミと区別がつかないからヤダ! というときなども、ホクロだけをマスキングすることで対応可能です。
ちなみにタトゥーは、赤色やブルー色のタトゥーだとレーザーが反応しないので色が薄くなることはなく、そのままレーザーを照射することができます。黒色やグレー色、茶色系のタトゥーはその部分にマスキングをしてレーザーを照射することで、デザインへの影響は避けられます。ただ、一番確実なのは針脱毛です。
効果が高いのは、アレキサンドライトレーザー!
医療レーザーには、「ダイオードレーザー」「アレキサンドライトレーザー」「ヤグレーザー」などの種類があります。このうちホクロやシミを薄くする効果が期待できるのは、「アレキサンドライトレーザー」です。
すそわきがや乳がが気になっている人は、色素の濃い部位に対応できる機械が置いてあるクリニックを探してみましょう。具体的には、メラニンの有無に左右されない脱毛機械(ヤグレーザーを搭載したジェントルマックスプロ)のあるクリニックがおすすめです。
このレーザーは、『ジェントル・レーズ』や『ジェントルマックスプロ』という医療脱毛マシンに搭載されているので、こうした機械を導入していないクリニックで顔脱毛をしても、副次的な美肌効果はあまり期待できないでしょう。
アレキサンドレーザーは、もともと皮膚の良性疾患のために開発された経緯があるので、美白レーザーという異名を持っているくらいです。
でもシミ取り効果を一番に求めるのならば、やはりフォトフェイシャルのような専用の治療のほうが効果的ですので、顔脱毛でホクロやシミが薄くなるのはあくまで副次的な効果ということを念頭においたうえで、施術を受けましょう。
ニキビやニキビ跡があるケース
顔にニキビがあっても、化膿してぐじゅぐじゅした傷のようになっていなければ、顔脱毛を受けることができます。
ニキビ跡は、少し濃いシミがあるのと同じようなものなので、レーザーを照射しても問題ありませんし、薄くなる効果も期待できるでしょう。レーザー照射直後は、ニキビの赤みが増すことがありますが、これは脱毛による炎症と刺激が関係しています。しかし脱毛が完了すれば、ニキビのできにくい肌になります。顔脱毛をすると、毛穴が小さくなって肌の状態が上向きになり、毛穴が皮脂や雑菌で汚れにくくなるため、ニキビ予防につながるのです。
ニキビは、一つ出来ると別の所にも新しいものがポツポツ出来ることが多く、繰り返し発生します。するとニキビ跡もどんどん増えてしまいます。また、ニキビ肌には細かな凹凸があるので、顔そり用の電動シェーバーを使っても肌に引っかかって、さらなる肌荒れのもとになります。メイクだって、ニキビの刺激になりそうで思う存分楽しめません。
肝斑がある箇所はレーザーが照射できない。ではどうする?
肝斑は、顔面に現れるシミのなかでも大人の女性に特有のものです。30代後半くらいから乱れやすくなるホルモンバランスの影響で、メラニンに炎症が起きて黒ずみが目立ってきたものを肝斑といいます。
黒ずみの原因がメラニンの炎症なので、紫外線をあびたり手で頬を叩いたりといった日常的な刺激でも悪化する可能性があり、レーザーによる刺激も避けなければなりません。
肝斑と普通のシミとは性質が違い、普通のシミならばレーザーを当てても問題はありません。症状が軽い段階では双方にはっきりとした違いがみられないため、その場合はレーザー照射による顔脱毛を行いつつ、医師がその後の経過を観察して、肝斑なのか普通のシミなのかを見分けながら施術をすすめていきます。また、肝斑を改善できる薬(トラネキサム酸)を服用しながら、顔脱毛を行うという方法もあります。
一方、肝斑が目立つけれど、顔脱毛をしたいという場合は、電気針脱毛のみ可能です。針脱毛は医療レーザー脱毛よりも痛みが強く価格も高いですが、色の濃い肝斑が広がっている場合でも、安全確実に顔脱毛ができる最良の方法です。針脱毛は、ホクロの上に生えた毛を脱毛するのにも向いています。
最後に
ここまででご説明したように、ホクロやシミがあってもほとんどの場合はレーザー照射ができますし、副次的な効果として、ホクロやシミが目立たなくなることも期待できます。
ただ、顔は常に人目にさらされている部分であり、顔脱毛をするときはどんな影響が出てくるのか、とても気になると思います。しかもお肌の状態は人それぞれで、悩んでいる点も違います。そのため、少しでも不安がある場合は、カウンセリングの場を最大限活用しましょう。自分でも、あらかじめWEBサイトなどの情報を読んで、質問したいこと整理してメモしておくと、聞き忘れを防ぐことができます。事前に少し準備するだけで、不安の解消につながりますし、納得したうえで顔脱毛に臨めると思います。
顔脱毛をしたあとは、肌色も明るくなってスキンケアがしやすくなります。色々なメイクにもぜひ挑戦してみてくださいね。