毛周期とは?脱毛との関係性や部位別の調べ方を知って、効果的に通おう!

    • 脱毛全般
    • 公開日: 2016.02.17
    • 更新日: 2023.12.26

毛周期とは、毛が成長してから抜け落ちるまでの過程を繰り返すサイクルのことです。脱毛の施術を効果的に受けるには、「毛が生え変わる周期」=「毛周期」に合わせてクリニックへ通うことが大切になります。

そこで今回は、なるべく短期間で効果的に脱毛したい方に向けて、毛周期の仕組みはもちろん、脱毛との関係性をわかりやすく解説します。

部位ごとの毛周期や脱毛に通うおすすめのペースも紹介するので、「なかなか脱毛の効果が感じられないけど、今のペースのままでいい?」と悩んでいる方も、ぜひ参考にしてみてください。

毛周期とは?

毛周期とは、毛が生え変わる周期のこと。次の図のように「成長前期」「成長後期」「退行期」「休止期」の4つの段階を繰り返します。 【初心者必見】毛周期がわかれば、効率的な脱毛がわかる! 「成長前期」「成長後期」「退行期」「休止期」それぞれの概要は、次の通りです。
成長前期 毛根にある毛細細胞が活発になり、毛が成長していく時期
成長後期 毛が伸びて、退行期に入るまでの期間
退行期 毛の成長がストップし、毛が抜け落ちる準備を始める時期
休止期 毛が抜け落ち、新しい毛が生えてくるまでの待機期間

毛周期と脱毛の関係性

結論、毛周期は脱毛の効果に大きく関係しています。 そもそも医療レーザー脱毛は、特定の波長の光(レーザー)を使用します。レーザーを毛根に含まれる黒い色素(メラニン)に反応させることで「熱」が発生し、その熱が毛根細胞(毛根の周りにある毛を生やす細胞)を破壊するのです。

脱毛効果があるのは「成長前期」「成長後期」の毛だけ

レーザーを照射して脱毛効果があるのは、「成長前期」「成長後期」「退行期」「休止期」の4段階のうち、メラニン色素を多く含む【成長前期〜後期】の毛だけです。 成長期(成長前期~後期)の毛は毛母細胞が活発であるため、黒い色素(メラニン)が濃く、レーザーが毛根まで届きやすいのです。

「退行期」「休止期」の毛はレーザーに反応しづらい

一方で、「退行期」「休止期」の毛は、メラニン色素が薄く、あまりレーザーに反応しません。 退行期や休止期の毛にレーザーを照射しても、毛根細胞を破壊できず、脱毛効果が得られないということです。

脱毛に通うペースは「毛周期」に合わせることが大切

毛周期の関係から、成長期(成長前期~後期)・退行期・休止期の毛はそれぞれ段階が異なり、レーザーを照射すればすぐ抜ける毛と、そのまま伸び続ける毛があると分かりました。このことから、脱毛は、毛周期に合わせて通うペースを決めることが大切です。 実際、成長期(成長前期~後期)の毛は、頭髪を除き、全体の10~15%程度しかありません。つまり、1回あたりの脱毛の施術で処理できる毛の割合は、約10~15%となります。 仮に20%として計算すると、脱毛を完了(=100%)するには、少なくとも5回の施術が必要です。

20%×5回 = 100%

これを、一般的に推奨されている「2か月に1度」を通院サイクルで計算すると、1部位の脱毛を終えるまでに、合計で10ヶ月が必要な期間の目安となります。

2カ月 × 5回 = 10カ月

医療脱毛プランに5回セットが多いのはこのためです。なお、照射の出力が少ないサロン脱毛は、一般的に10か月よりも長い期間がかかります。

【部位別】毛周期の期間と脱毛に通うおすすめの間隔

毛周期の関係から、脱毛を完了させるには「5回」「10か月」が目安になると分かりましたが、毛周期は部位によって異なることがあります。次の表をご覧ください。
部位 毛周期 最短 平均 最長
ワキ 2~3か月 3回 7回 10回
VIO 1.5~2か月 3回 5回 7回
全身 2か月 3回 5回 7回
全顔 1~2か月 3回 8回 10回
太もも 1.5~2か月 3回 5回 7回
膝下 1.5~2か月 3回 5回 7回
部位によって毛周期がこんなにバラバラであるならば、「どうして、2か月に1回の施術が推奨されているの?」「毛周期が長いワキやVIOは3か月おき、それより短い足や腕は2か月おきでいいのでは…?」などと、思う方もいらっしゃるかもしれません。 もし、あなたが脱毛したい部位が1カ所だけなら、その部位の毛周期に合わせて通うことが一番効果的です。 しかし最近は「どうせならいろんなムダ毛を同時期に処理して、ツルツルになりたい!」と、希望する方が増えています。 複数部位や全身脱毛の場合、部位ごとに分けて施術を受けていては、スケジュール管理が大変!通うのがイヤになってしまいますよね。 そこでさまざまなケースを見てきた脱毛のプロの意見として、施術サイクルは「2か月ごと」をおすすめしています。 体毛の濃さや固さにはホルモンバランスによって個人差があり、同じ部位でも毛根によって毛周期はバラツキがあります。それでも、2か月を基準にして大きなズレがありません。 先ほど述べたように施術1回で20%の毛しか脱毛することはできません。前回の施術で休止期だった毛も、順次成長期に入っていきます。 2か月に1度の施術は、部位や個人差の「平均」を考えたタイミング。成長期以外の毛にレーザーを照射する「無駄打ち」のリスクが減らせる、理にかなったサイクルなのです。

毛周期に合わせて脱毛できなかった場合はどうなる?

「とにかく早く脱毛したいから」といって、通院サイクルを1か月ごとなどに短くしても意味がないことは、お分かりいただけたでしょうか? では、逆に忙しくてなかなか通えなかったり、人気で予約が取れないなどの理由で、脱毛の施術を受ける間隔が3か月、4か月後、半年後などになった場合はどうなるのでしょう? 結論、施術をスタートした初期は、間隔をあけるのはあまり望ましくありません。 脱毛は、最初の2~3回目くらいまでは、スルッと抜けても2週間程度でまた毛が生えてきます。 脱毛後すぐ毛が生えてきても、これは前回の照射時に休止期だった毛が次々に成長期に入った証拠です。 数回で「効果がないのでは…」とあきらめず、なるべく間隔をあけずに施術を重ねましょう。

脱毛回数を重ねたら、施術の間隔をあけるのもアリ

脱毛後、「生える毛が少なくなってきたな」と実感できるようになったら、施術の間隔をあけても大丈夫になります。 脱毛回数を重ねると、効果のあった毛は抜け落ちていき、少しずつ毛周期のそろった毛だけが残っていきます。また、成長期の毛のサイクル自体が長くなることもあります。そうなってから 例えば、 ・1~2回:2カ月おきに施術する ・3~4回:2カ月半おきに施術する ・5回:3カ月後に施術する といった感じで、間隔をあけることも可能になってきます。

抜けやすい部位の毛や、抜けるまでに時間がかかる毛はある?

部位によっては、抜けやすい毛・抜けるまでに時間がかかる毛があります。 ・抜けやすい毛…「無性毛」 ・抜けにくい毛…「性毛」 「無性毛」とは、髪の毛を筆頭に、眉毛、まつ毛、鼻の下や手足の毛など、もともと生えていた毛のことです。比較的毛周期が短い場合が多く、脱毛効果が早く表れやすいといえます。 一方で、「性毛」とは、ワキやVIOなど、思春期になると生えてくる毛のことです。男性では胸毛やヒゲもこれにあたります。毛周期が長い場合が多く、脱毛完了までには1年以上かかる場合がほとんどです。

体毛とホルモンの関係もチェック

生えやすい毛・生えにくい毛を知る過程において、体毛とホルモンの関係もチェックしてみましょう。 「子どもの頃は顔や背中の産毛が濃かったけど、成長するにつれて薄くなった」「妊娠・出産で髪の毛が薄くなった」といった経験のある方もいるのではないでしょうか。 実は、体毛にはホルモンが大きく関係しています。男女にかかわらず、人間は「男性ホルモン」と「女性ホルモン」を両方備え、一生の中でバランスが変化しています。 男性ホルモンの中でも「テストステロン」の分泌が活発だと、体毛は濃くなる傾向にあります。特にストレスや食生活の乱れ、肥満によってムダ毛が濃くなる場合があるのは、男性ホルモンの分泌が活発になるからと言われています。 体毛が濃くてお悩みの女性は、生活習慣を整えるとともに、イソフラボンやプラセンタなど、女性ホルモンの分泌を促すサプリメントを試してみるのもいいかもしれません。

効果的に脱毛するために「毛周期」以外で注意するポイント

ここからは、より効果的に脱毛するために、毛周期以外で注意すべきポイントをお伝えします。 1.施術の合間は「毛抜きを使わない」 2.次の施術までに「日焼けをしない」 それぞれ、詳しく見ていきましょう。

①施術の合間は「毛抜きを使わない」

脱毛の施術を受ける前にムダ毛を処理すると思いますが、生えてきた毛の処理は毛抜きではなく、必ずシェーバーを使用してください。 毛抜きで抜いてしまうと毛乳頭を引きちぎるため毛周期が狂ってしまい、脱毛効果が出にくくなります。

②次の施術までに「日焼けをしない」

次の施術を受けるまでに、日焼けをしないように気を付けることも大切です。 レーザーは黒いメラニン色素に反応するため、日焼けをするとお肌にも反応してしまい、火傷をするリスクが高まります。

毛周期に関するQ&A

最後に、毛周期に関してよくある質問に回答していきます。
  • ⚫︎ 毛周期の調べ方・見分け方はある?
  • ⚫︎ どうして脱毛に通う間隔は「2~3か月に1回」なの?
  • ⚫︎ 部位によって毛の毛周期が違うなら「1ヶ月に1回」照射はダメ?
  • ⚫︎ 脱毛施術を受ける前の自己処理は、いつ毛抜きからシェーバーに変えたらいい?
  • ⚫︎ 「2年間通い放題」の脱毛サロンのプランを契約したけど、予約が全然取れない…
疑問を解消し、脱毛を効果的に受けましょう。

毛周期の調べ方・見分け方はある?

結論、毛周期を正確に調べる・見極める方法はありません。理由として、毛周期には個人差があるためです。 同じ部位の毛であっても、成長期と退行期が混在しているケースがあり、自分で見極めることは難しいです。 成長期の毛が生えてくるタイミングについては、あくまで目安として「2か月」という期間を参考にしましょう。

どうして脱毛に通う間隔は「2~3か月に1回」なの?

部位によって毛周期を考えた最適なサイクルがあります。これを守らなければ効果が出ません。私は患者様に、2か月ごとの施術をおすすめしています。毛周期には部位や個人で差がありますが、その「平均」をとった効果的なサイクルであると考えています。 施術頻度を上げすぎた場合、こんなケースも報告されています。「医療用レーザー脱毛について。約半年間かけて腕とワキの脱毛を行いました(腕5回、脇6回)。ですが、普通に脱毛をする前と変わらないくらい生えています。こんなことってあるのでしょうか。」(出典元) この方は1か月~1か月半の間隔で通ったために、成果が出なかったようです。あるいはレーザーの出力にも問題があったのかもしれません。大切なお金を無駄にしないためにも、クリニックのアドバイスをよく聞いて、頻度を守りましょう。

部位によって毛の毛周期が違うなら「1ヶ月に1回」照射はダメ?

毛は【休止期】⇒【成長前期】⇒【成長後期】⇒【退行期】で生え変わりを繰り返しています。このうちレーザーを照射して脱毛効果があるのは全体の約20%だけ。成長期にいまちょうど来ている毛にしか効果がありません。1か月しかサイクルをあけないと、成長期にある本数が少なく、照射の多くが「無駄打ち」になってしまう可能性が高まります。前回の施術の際、休止期だった毛を1本でも多く成長期に育てた段階で効果的に脱毛したいなら、やはり2か月は間をあけることをおすすめします。

脱毛施術を受ける前の自己処理は、いつ毛抜きからシェーバーに変えたらいい?

施術する3週間前には毛抜きでの処理をやめることをおすすめします。レーザーを照射すると、毛根にあるメラニン色素に反応して脱毛効果が出ます。毛乳頭ごと引き抜いてしまう毛抜きでの処理を続けていると、レーザーに反応しなくなります。脱毛期間中も、シェービングでの処理だけにしましょう。

「2年間通い放題」の脱毛サロンのプランを契約したけど、予約が全然取れない…

回数を明記せず、「2年フリーで●万円」といったプランの場合、エステ側としては何度通われても収益が変わりません。つまり、「あまり来て欲しくない」というのが実情ではないでしょうか。不誠実なエステでは、通う間隔を長めに設定したがると思います。また、毛周期以上の間をあけることで、脱毛の効率を下げ、完了を遅らせて狙いがあるかもしれません。料金設定が明確で、信頼できる医療機関をお選びになることをおすすめします。

サロンとクリニックの脱毛。結局どっちが早くて安く脱毛完了できる?

永久脱毛をご希望の場合、エステサロンのほうが料金設定が安く見えます。しかし医療機関以外のサロンで行う脱毛は、医師法第17条により「毛および毛付属器を破壊せず、1か月後に90%以上の発毛が認められるような脱毛」と決められているため、期間はクリニックでの医療脱毛より長くかかります。脱毛が完了するまでの期間は個人差があり、一概には言えませんが、もともとレーザーの出力が違うことを念頭に置いて、料金と期間をしっかり比べられることをおすすめします。

まとめ

今回は、毛周期の概念や脱毛との関係性についてお伝えしてきました。 なるべく短期間で効果的に脱毛の施術を受けるには、毛周期に合わせて通うことが大切になります。脱毛効果があるのは毛周期の4段階のうち、頭髪を除いて全体の10~15%程度しかない「成長前期~後期」の毛だけであるため、退行期や休止期の毛にいくらレーザーを照射しても、意味がありません。 毛周期には個人差がありますが、目安として「2か月に1回」のペースで通うことを推奨します。「生える毛が少なくなってきたな」と感じるまでは、このペースを守って施術を受けるようにし、効果的に脱毛をしましょう。

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