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現在市場に出回っている家庭用脱毛器とは
人の体は生まれた瞬間から死ぬまで変化をし続けます。大きな変化は10代半ばまでの成長期でしょう。特に第2次性徴では、男女ともワキ毛や陰毛などが生え始め、子どもから大人への階段を大きく駆け上がる時期です。この時期は思春期とも呼ばれ、他人との差異に対し特に敏感な時期です。むだ毛について思い悩み始めるのもこの時期が多いのです。お子さんがむだ毛に悩んだ際でも、クリニックで行う医療レーザー脱毛は大変素晴らしい効果を発揮すると自信を持って言えます。
しかし、美容クリニックの扉を叩かれるのはまだまだほんの一部に留まっています。多くは自宅での脱毛を行っているようで、大人になり私のクリニックに訪れる患者さまでも家庭用の脱毛器を使ってこれまで処理をしていた、という方が大変多いのです。
では実際にどのような家庭用脱毛器があるのでしょうか。
家庭用脱毛器を大きく分けると、光を当てて毛幹細胞に作用する「フラッシュ脱毛」と、レーザーを当てて毛母細胞(毛乳頭)に作用する「レーザー脱毛」があります。その中で、使用者の多いものをいくつか紹介します。
【フラッシュ脱毛】
ケノン・LA VIE・パナソニック光脱毛器など。
最近人気の機種は、照射面積が広いこと、照射部分を付け替えることで美顔器としても使えることが人気の秘密のようです。価格は、4万~6万円台。
【レーザー脱毛】
トリア
当院でも使用している、多くのクリニックで使用されているレーザー脱毛器の一つ「ライトシェア™」の開発者たちが、レーザー出力を一般の方でも使用できるレベルまで抑え、自宅でも手軽にレーザー脱毛ができるようにと作り出した家庭用脱毛器です。
日本の厚生労働省にあたる、アメリカ合衆国のFDAの認可も得た安全性と効果が人気の秘密です。価格は5万円台~。
家庭用脱毛器では脱毛できないことがある!
では家庭用脱毛器についてもう少し詳しく説明をしていきます。まず伝えなければならないのは、家庭用脱毛器では永久脱毛はできません。永久脱毛をしたいのであれば、脱毛を行うクリニックに行く必要があります。
では全く効果がないか、といえば効果がないわけではありません。むだ毛を処理する回数を減らすことは可能ですし、商品によっては美顔器として美肌ケアの一つとして取り入れる意味はあるでしょう。
ではなぜ家庭用脱毛器では永久脱毛ができないのでしょうか。
それは「安全性」を第一に考えて作られているからです。フラッシュ脱毛であっても、レーザー脱毛であっても光の力を使って毛周期に作用することは変わりありません。仕組みも色が濃い=毛に反応することも、どちらも変わりません。
だからこそ、誰が使っても事故(怪我や火傷)がないようにしなければ市販することはできません。例えば台所にある包丁をとってみても、料理人の使う包丁と一般家庭の包丁では同じ刃物でも違います。それは刃渡りであったり、鋼の厚みであったりですが、使用方法を間違えなければ怪我をしにくいようにしてあるのが家庭用なのです。
このような例は数多くあります。趣味が高じればプロの使う道具も使ってみたくなるものですが、プロの道具を使うとなればそれ相応の責任が生じてくるのです。脱毛器に関していえば、出力レベルを制限することで家庭でも無理をしなければ安全である、と認められているから市販が可能になっています。
出力レベルが低いとは、それだけ毛に作用する力も弱いと言えます。ですので、光を当てたことで毛が抜けたと思っても、毛母細胞(毛乳頭)まで届かず休止期を経て再び毛が生えてしまうのです。
脱毛といえば医療脱毛が最も効果的
一方医療脱毛では、医療行為を行うことができる医師が監督・使用するため、高い出力レベルのレーザーを用いることができます。ここで、フラッシュ脱毛とレーザー脱毛の違いを紹介しておきます。
フラッシュ脱毛はエステティックサロンで行われている脱毛と考えてよいでしょう。フラッシュ脱毛とレーザー脱毛の大きな違いは、光の波長です。
フラッシュ脱毛は光を当てますが、この光はさまざまな波長を含んでいます。
それに対し、レーザー脱毛では単一の波長の光を当てます。どのようなレーザーを使うかで、レーザーの持つパワーが異なること、威力が強いことなどからレーザーを用いた脱毛は医療機関でしか行うことができません。
ではなぜ「レーザー脱毛」をうたう脱毛器が市販されているのか、疑問に思うでしょう。
その理由は、レーザーの威力(出力レベル)を火傷にならない程度まで制限しているからです。出力レベルだけでなく、医療脱毛が優れている点は医師が監督しているということです。
何度も言いますが、レーザーでの脱毛は医療行為の一つです。それはすなわち怪我や火傷をする危険を伴うことを意味します。
人体について、皮膚について、毛について知識のない人が、機械を操作したとしても望む結果は得られないでしょう。
施術前のヒアリング、カウンセリングを通し、どのような脱毛プランが最も適しているか、どれくらいの出力レベルにするかを見極めて、初めて効果が約束されるのです。
時間的労力を考えると医療脱毛が一番
家庭用脱毛器のメリットの一つが、費用面です。
私のクリニックでは、脱毛専用サロンになることで費用をできるだけ抑えていますが、それでも市販されている脱毛器の価格には負けてしまいます。
しかしながら、永久脱毛ができない=一生むだ毛処理をしなければならない家庭用脱毛器は、時間を多く費やさなければなりません。
それよりも、1年~2年ほどの期間で5回程度通うことでむだ毛の処理を一生しなくてよいほうが、時間を有効活用できるのではないでしょうか。
むだ毛に悩む時間を考えるのならば、私は医療脱毛をおすすめします。