細い毛や産毛の多いところを脱毛すると、ごく稀に毛が濃くなってしまう「硬毛化」がおきることがあります。実際に硬毛化する確率は非常に少なく1%前後と言われていますが、ツルスベ美肌を目指しているのに毛が濃くなることはなんとしても避けたいです。
目次
硬毛化はどんなときに起こるの? 硬毛化の原因とは
ムダ毛が硬毛化する原因ははっきりとは解明されていませんが、レーザーやフラッシュの刺激で細い毛の毛根が活性化し、濃くなるのではないかと言われています。
本来、レーザーやフラッシュなどの光線は「太くて黒い毛」に反応しやすく、熱で毛根にダメージを与えて脱毛します。そのため、ムダ毛のうち太くて黒い毛は毛根がしっかりと破壊されて硬毛化しませんが、細い毛や薄い色の産毛の毛根は生き残るので、逆に活性化して硬毛化してしまう場合があると考えられます。
しかし、いろいろな毛が同時に生えているのが普通の肌です。太くて黒い成長期の毛だけでなく、細かったり毛穴の奥のほうに隠れていたりする成長途中の毛もあれば、つねに産毛が生えているところもあります。人によっても毛質はさまざまです。
そこで、硬毛化がなるべく起きないようにする、技術と経験が必要となります。それは脱毛する場所や毛質に合わせて使用するレーザーの種類を使い分けるという方法で、そういった対応をしていない、もしくはできないクリニックやサロンでは、わりと硬毛化が起きやすくなります。
硬毛化は、医療レーザーやフラッシュ脱毛(光脱毛)のみならず、家庭用の光脱毛器を使ったときにも起きるリスクがありますから、自己処理をしている人は要注意です。
こんな部位は硬毛化がおきやすい
硬毛化がおきやすい場所は、うなじ、背中(とくに上部の肩甲骨あたりまで)、肩や二の腕で、もともと細い毛や産毛が多いという共通点があります。また、顔のフェイスライン周辺のように皮膚が薄い部位も、硬毛化がおきる可能性が否定できません。
硬毛化が現れるのは脱毛1ヶ月後〜3ヶ月後くらい
硬毛化は、レーザーなどを照射したときの刺激で毛が太くなる現象なので、照射から1ヶ月ないし数ヶ月経ってから「あれ? 濃くなったかな?」と気づくものです。クリニックでは脱毛後の経過観察を行いつつ、硬毛化がみられたら個別に対応をしていきます。
硬毛化と増毛化の違いは?
増毛化(毛が増える)というのも、硬毛化と並んで説明されることが多いです。増毛化は、それまで毛がなかった毛根から毛が生えてくる現象です。硬毛化と見分けがつきにくいですが、実際には毛が増えるというよりも、硬毛化して毛が太くなったことによって(毛の本数は増えていない、むしろ減っているけれども)、毛の量が増えたように見えることがほとんどです。
硬毛化が心配なら、脱毛機械の種類が揃ったクリニックがおすすめ
硬毛化のリスクを減らすことは可能です。そのためには、自分の毛質に合った脱毛機械を導入しているクリニックや脱毛サロンを選びましょう。
たとえば、「硬毛化しても安心! 光線を照射し続けることで脱毛完了できる」というクリニックがあったとします。でもこの対応方法では、脱毛期間がムダに長期化するおそれがあります。通常のクリニックには脱毛機械を1~2種類しか置いてないことが多いので、たまたま自分の毛質に合えば効果的な脱毛ができますが、合わない場合は脱毛効果が下がってしまい、硬毛化のリスクは高まってしまいます。
おすすめは、いろいろな毛質・肌タイプの人が脱毛することを前提に、3種類の脱毛機械を揃えているクリニックです。それぞれの機械に特徴や得意分野があり、肌質や毛質に合わせて使い分けると、硬毛化のリスクを減らしつつ効果的な脱毛を行うことができますし、肌にやさしい利点もあります。
3種類の脱毛機器・搭載レーザーの種類
医療レーザー脱毛のレーザーには、大きく分けて、
(1)ダイオードレーザー
(2)アレキサンドライトレーザー
(3)ロングパルスヤグレーザー
の3種類があります。
脱毛機械は、「ライトシェア・デュエット」や「ジェントルレーズ」といった、1台に1種類のレーザーを搭載したものが一般的です。最近は2種類のレーザーを搭載した複合タイプの脱毛機械もあり、「ジェントルマックスプロ」という機械にはアレキサンドライトとヤグレーザーの両機能が内蔵されていて、さまざまな毛質に対応できるようになっています。いずれにせよポイントは、機械の台数よりもレーザーの種類が3つ揃っているかどうかです。
ダイオードレーザー内臓の「ライトシェア・デュエット」は、最も施術効率が良い機械なので、これだけしか導入しないクリニックも多いです。しかし、これ1種では不十分で、硬毛化した太い毛に対する脱毛効果が薄いため、対応に長い時間がかってしまいます。また、顔のフェイスラインや背中はもともと硬毛化しやすく、予防策としてヤグレーザーを使うことも効果的ですが、それができません。肌質という面でも、少し暗めの肌色の人は毛穴以外のメラニン色素にもレーザーが反応しやすく火傷のリスクが少し高いので、ヤグレーザーを上手く使うと肌にもやさしく硬毛化対策することができます。
毛質によってはニードル脱毛という選択も
医療レーザーを駆使しても脱毛が難しい毛質、たとえばトグロを巻いたようにクセが強い、毛が寝て生えているときは、ニードル脱毛(電子針脱毛)のほうが向いている場合があります。レーザーでは脱毛効果が弱いのに、パワーを上げたり照射を繰り返したりすれば、硬毛化のリスクが高まってしまうからです。
ここまで特徴的な毛質は、カウンセリングの段階で脱毛方針がクリアになることが多いので、最初からあきらめず相談するとよいです。
避けたほうがよい硬毛化対策、ベストな硬毛化対策
最後に、これまでみてきた硬毛化対策についておさらいしましょう。産毛の多い背中、上腕や顔の脱毛をしたい人には、ぜひ覚えておいて欲しいポイントです。
こんな硬毛化対策はイマイチです!
照射をやめて様子をみる
これは脱毛期間の長期化につながります。クリニックによっては硬毛化が発覚してから半年後に照射を再開するという方針のところもあります。
照射パワーをあげて脱毛効果を高める
レーザーの出力を上げるだけでは、いろいろなお肌のタイプの硬毛化には対応しきれません。熱刺激による火傷のリスクも高まってしまいます。
これが硬毛化対策としてはベストです!
照射するレーザーの種類を切り替える
脱毛期間をムダに長引かせることを避けつつ、硬毛化した毛の脱毛にすぐに取りかかることができます。顔などの目立つ場所が硬毛化したときも安心できます。
レーザーを3種類持っているクリニックで脱毛する
硬毛化に対応するためには、少なくとも3種類のレーザーを導入して、切り替えて施術を行う必要があります。
いかがでしたか?硬毛化への対策方法を知っておくと、脱毛により安心して取り組むことができると思います。クリニック選びの参考にしてみてくださいね。