契約前に知っておきたい脱毛エステサロンの倒産(経営破綻)・摘発事例

2015年8月、ミュゼショックが起こりました。ミュゼプラチナムは脱毛エステサロン最大手で、徹底した広告戦略などが功を奏し約270万人の会員を集めましたが、その裏で倒産騒動があったのです。これは氷山の一角で、脱毛エステサロンが違法行為で摘発され倒産する事件も相次いでいます。この問題ときちんと向き合うと、エステやクリニックを選ぶ正しい目を養うことができます。

結局、ミュゼプラチナムはどうなったのか? 時系列で整理してみる

ミュゼプラチナムは、2015年10月6日に当時の運営会社(株)ジンコーポレーション 高橋 仁社長の会見で、借金返済が滞り任意整理に入ったと発表しました。
これを受けて、「人気のミュゼがなぜ倒産?」「私の前払いした脱毛代金は返ってくるの?」と大騒動に。ことの顛末を振り返ってみましょう。

 

任意整理とは?

私的整理とも呼ばれ、破産法、民事再生法や会社更生法などの法的整理を行うことなく、債務者と債権者との合意によって処理する手続きのこと。

2002年 株式会社ジンコーポレーション設立
ミュゼプラチナムは同社の一事業としてスタートし、約7年間で51万人の会員を集めるなど急成長。2010年6月には社長が成功本を出版しています。
2011年10月〜 有名な女性ハーフタレントを起用した新テレビCMを展開
若い女性芸能人を起用した広告をテレビや電車内で大々的に展開し、知名度を一気に高めていきました。
2014年後半頃〜 過大広告の一方で予約が取れない問題が深刻に
低価格を訴求し会員数は増大したもののスタッフ不足の背景などもあり、予約が取れない状況が常態化し始めました。
低価格を訴求し会員数は増大したもののスタッフ不足の背景などもあり、予約が取れない状況が常態化し始めました。
「「医師法違反」の声もある「脱毛エステ」疑惑の商法(筆者:内木場重人氏)」
との記事が、広告などに書かれた「脱毛完了=永久脱毛」をエステサロンが行うのは医師法違反だと指摘しました。脱毛エステ最大手のミュゼの商法にまったをかける意図があったことは間違いないでしょう。
2015年6月20日 提言型ニュースサイトBLOGOS でミュゼの経営難説が浮上
「「脱毛エステ最大手」に浮上した「経営危機説」「健康被害隠蔽」(筆者:同上)」
との続報記事で、ミュゼ内部からの「ボーナスも社員旅行も中止」といった情報や、解約数の多さと返金の先延ばしが始まっていること、さらにやけどなどの健康被害が絶えないとして、同社の深刻な経営危機を指摘しました。

さらに深刻なのが解約数。昨年1月には3708件だったが以後毎月増え続け、同年6月には7000件を突破。9月の7716件でピークとなるが、その後も毎月7000件前後で推移し、今年4月の最新データでは7446件となっている。金額にすると、少なくとも昨年6月以降、毎月7億円弱の解約金が発生しているのである。
2015年06月20日 BLOGOS
http://blogos.com/article/117895/

2015年8月25日 ミュゼが任意整理に入り、いよいよ経営破綻と報じられる
「「脱毛エステ最大手」ついに「経営破たん」:刑事事件に発展も(筆者:同上)」の記事がYahoo!やlivedoorなどのネットニュースでも大々的に伝えられました。
2015年8月27日 ミュゼプラチナム公式サイトで倒産・経営破綻の事実を否定
8月25日以降、顧客からの問合せが殺到しミュゼプラチナムコールセンターに電話をしても繋がらない状態となりました。27日には公式サイトで「倒産や経営破たんしたという事実はありません」と騒動に言及しました。
2015年の8月下旬
いわゆるミュゼショックが起きて9月にかけ解約件数がさらに増大し、顧客が前払いした脱毛代金の返還手続きがミュゼの経営を厳しい状況に追い込みます。広告代理店「電通」に対する未払金だけでも、8月末時点で20億円あるといわれました。
2015年10月6日
8月に任意整理の疑いが報じられてから初めて、ジンコーポレーションの高橋社長が会見しその事実を認めるとともに、脱毛事業は継続すると表明しました。年商380億円の規模まで成長したミュゼでしたが、負債総額は500億円以上あると推測されました。

脱毛エステ最大手の「ミュゼプラチナム」を運営するジンコーポレーション(本社・東京都渋谷区)は6日、借金の返済が滞り、銀行団との間で任意整理の協議に入っていることを明らかにした。
〜中略〜
昨冬以降、スタッフが不足気味にもかかわらず、テレビCMや電車内広告を打ち続け、予約が取れないなどの苦情が出ていた。高橋社長は「過大な広告が経営の誤りだった」と述べた。
2015年10月6日朝日新聞デジタル
http://www.asahi.com/articles/ASHB63PJ1HB6ULFA008.html

2015年12月10日 脱毛事業を新会社へ譲渡し、社会問題化を回避
ジンコーポレーションは水面下で関連先と交渉を続けていましたが、12月10日に新会社の(株)ミュゼプラチナムに美容脱毛事業を譲り渡し、新会社は2016年1月4日付で(株)RVHの完全子会社となることを発表しました。

今後は、株式会社RVHグループの一社として本事業の再建を行っていくことで、ミュゼプラチナムのブランド価値の維持・増大を図りつつ、お客様に拡がってしまった信用不安を取り除き、信頼回復に鋭意努めて参ります。
2015年12月15日 ジンコーポレーション公式サイト
http://www.jin-co.net/info/news/

上場会社のRVH(沼田 英也社長)に経営が託されたことで、騒動は収束しました。全国約190店舗のミュゼ従業員4,000人の雇用が守られ、サロンの会員は引き続きサービスを受けられることになりましたが、現在はまだ事業の再建に取組み始めたばかりだといえます。

 

 

倒産すれば解約もできず、前払いした代金は二度と返ってこない?

ミュゼの行った任意整理や法的整理は、その後に経営破綻する可能性が高いサインです。倒産が決定的となれば、前払いした脱毛代金が返金されないケースは大いに考えられます。ミュゼでは、資金繰りの厳しさから会計処理にも不適切な面がありましたが、外部の人間が知ることは難しいです。

大手だから安心、中小だから危険ということはなく、ミュゼから学んだように「綺麗な広告を大々的にしている」「予約がとれないほどお客さんが来ている」としても安心材料にはならず、むしろ大丈夫かな? と疑ってみることをおすすめします。

 

有名エステの倒産・経営破綻の事例は、他にもたくさんあります…

<2000年に倒産>
エステdeミロード:有名人のTVCMを覚えている人も多いのでは
<2007年に倒産>

脱毛専門サロン エピドール:格安が売りだった光脱毛サロン

ビューティーネプチューン:ニードル脱毛サロン。倒産後、光脱毛サロンのグランモアが被害者救済し話題に

銀座BC(銀座ビューティークリニカル):痛くないを売りにした光脱毛サロン

<2009年に倒産>
ビューティーサロン FRIGG(フリッグ):バストアップなども行っていたエステサロン
<2013年に倒産>
Pure(ピュア):光脱毛サロンの全国チェーン

…など、倒産事例は近年も例外ではなく、情報にアンテナをはっておくことが必要です。

 

 

実はこんなにある、違法な脱毛エステサロンの摘発事例!

脱毛エステサロンが抱えている危うさは、お金の問題だけではありません。

医師法違反の疑いで摘発・逮捕された事例も多数あります。

 

?医師法違反とは?

厚生労働省では、脱毛エステサロンにおける健康被害が増加していることから、2001年より脱毛行為に医師法を適用しました。医師免許を持たない者がレーザーやその他の光線を毛根部分に照射し、毛乳頭などを破壊する行為をすれば、医師法違反となります。

 

ケース1:医療レーザー脱毛を医療機関ではない施設で提供していた事例
エステでは提供できない医療脱毛を行っていたとして、以下のサロンが摘発され、関係者が逮捕されました。
・2010年 メディカルエステティックサロン 「KOICHI」
・2015年 エステティックサロン「カリス」
ケース2:光脱毛を医師免許のないエステティシャンが提供していた事例

光脱毛ならエステサロンでも問題ないかというと、決してそうではありません。光脱毛で「脱毛完了=永久脱毛」することは医師法で禁止されている「毛乳頭などを破壊する行為」にあたります。未熟なエステティシャンが光の照射パワーを強めた結果、誤って重症のヤケドを負わせた場合なども罪に問われますが、こうした事例が非常に多いことが問題となっています。一例として以下のサロンが摘発されています。

・ 2007年 脱毛サロン「PIU BELLO(ビュウベッロ)」

・ 2010年 美容サロン「ジェイビー」

・ 2012年 エステティックサロン「エアフール」

・ 2012年 エステサロン「ドクタータカハシ」

・ 2014年 エステサロン「ハニーフラッシュ」

ケース3:医療機関でも医師法違反で摘発されることがある

医療レーザー機器を使った脱毛施術を、医師や看護師以外のスタッフが行うことも違法にあたります。

・2015年 診療所「マリークリニック」レーザー脱毛

・2015年 美容外科「T-クリニック」レーザー脱毛

 

 

脱毛エステサロンは医師法に違反しているのか?

脱毛エステサロンの問題は、医療機関ではないために医療法に基づいた届け出がされておらず、保健所の立ち入りが難しいことにも起因すると言われています。そのため、施設が不衛生で肌ドラブルの症状が悪化する危険もあるほか、多くの場合は顧客が被害を受けた情報が明るみに出てから医師法に違反していることが発覚します。

 

厚生労働省は、医師免許を持たないエステティシャンによる脱毛行為が原因の被害が多数報告されていることを問題視し、2001年(平成13年)11月8日に次のような通達(抜粋)を出し、全国の都道府県と警察に取締りの徹底を要請しました。

医師免許を有しない者による脱毛行為等の取扱いについて

第1 脱毛行為等に対する医師法の適用
以下に示す行為は、医師が行うのでなければ保健衛生上危害の生ずるおそれのある行為であり、医師免許を有しない者が業として行えば医師法第17条に違反すること。
(1) 用いる機器が医療用であるか否かを問わず、レーザー光線又はその他の強力なエネルギーを有する光線を毛根部分に照射し、毛乳頭、皮脂腺開口部等を破壊する行為
厚生労働省
https://www.shouhiseikatu.metro.tokyo.jp/anzen/kyougikai/h15/documents/131109-a.pdf

しかしこれで問題を撲滅できたわけではなく、先に挙げた摘発事例のように、依然として脱毛エステサロンによる医師法違反は相次いで起きています。

 

 

医療脱毛クリニックが必ずしも安心というわけではないが…

もちろん、健全かつ安全な経営と美容サービスを提供しなければならないのは、エステサロンもクリニックも同じです。

内閣府の消費者委員会の報告によると、2010年度にPIO-NETに登録された危害情報、計8,683件のうち、約600件はエステティックサービスに関するもので、なかでも脱毛に関する相談が筆頭としています。美容医療サービスに関してもエステの約半数にあたる300件程度の苦情相談情報が寄せられていますが、その内容は美容整形一般と脱毛が多いとされています。

消費者庁などに寄せられた苦情相談をみると、事前の説明不足が原因とみられるものや、不適切な広告を起因とするものがあり、とくに脱毛に関しては、赤み・やけど・色素沈着 に関するものが多いとみられます。

 

このやけどのリスクについて、事前説明のないクリニックは良いクリニックとは言えません。エステの光脱毛ではやけどにならないという認識は間違いですが、クリニックではより効果の高いレーザー脱毛を提供しているため、やけどのリスクがゼロではないからです。そこで、事前にホームページなどでリスクを説明しており、脱毛にまつわる肌トラブルへの対応も可能な皮膚科に精通したクリニックであれば、より安心度が高いと言えるでしょう。

 

?なぜ医療行為なのにリスクがあるの?

レーザー脱毛は、皮膚に照射したレーザーの熱で黒い毛(メラニン)を毛根から焼き切る・細胞組織を破壊するという行為です。これは医療行為として認められていますが、レーザー脱毛のメカニズム上、施術後は毛穴に軽いやけどを負った状態となります。そのため毛穴周辺の皮膚にもやけどの症状が出るリスクは必ずあるのです。

 

 

法律的観点から見たエステサロンとクリニックの選び方

エステサロンなどは医療機関ではないため、もしも脱毛施術によって肌トラブルが起きたときに、適切な治療を行うことができません。実際にトラブルは多いと言われているので、ここは重要なポイントです。また、医療法に基づく届け出がなく、保健所による調査や指導の対象とならない場合があり、もともと衛生面の問題や医師法違反にあたる行為を抑制する力が働きにくいと言えます。衛生面や医師法違反は、顧客側で防げる問題ではないため、過大広告や無理な価格訴求、予約が全く取れないといった問題のあるエステサロンを選ばないことが大事です。

一方クリニックは医療機関のため、レーザー脱毛などの永久脱毛を合法的に行うことができますが、運営方針や施術にのぞむ姿勢はクリニックによって違ってきます。そこで、カウンセリング等で事前説明を受けて、きちんと経過観察と対応をしてもらえるクリニックかどうかを見極めることが大事です。

 

 

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