ダイオードレーザによる脱毛について

ダイオードとは

ダイオード(半導体)は、産業用レーザ装置として古くから使用されてきました。無人の工場にて生産能力を向上させるため24時間365日稼働し、LSIへマイクロホールを開けるなど微細な作業に専従し、耐久性・再現性を最も有するレーザ媒体で、産業分野で多いに発展したレーザ機器と言えます。
産業分野で発展してきたダイオードレーザを治療用の高出力レーザに利用する研究開発には、高い技術水準を要しました。

ダイオード開発の背景

ハーバード大学のウェルマン皮膚研究所においてR. Rox Anderson, M.D.をはじめChristine C. Dierickx, M.D. 、Melanie C. Grossman M.D.らの研究チームは1994年よりロングパルスルビーレーザ装置を用いてレーザ脱毛の研究を行い、世界初の脱毛専用レーザ機器を開発しました。FDAはこのEpi Laserと名付けられたレーザ機器にHair Removal用の治療器としての承認を与え、1998年には全人種に対する世界初のPermanent Hair Reduction用のレーザ機器として承認を与えています。
 
その後、同研究所においてさらなる研究が行われ、Epi Laserはパルス幅(3ms)が短く、接触型冷却システムを利用しても、スキンタイプ3以上の患者に対して安全な脱毛処置ができないことが判明しました。そこで、選択的光加熱分解論(Selective Photothermolysis)の条件に見合う産業界で長年高い評価を受けているダイオードレーザを選択し、すべてのスキンタイプに適応する脱毛レーザ機器として、1996年7月より臨床治験を開始しました。
このダイオードレーザ(後にLightSheerと命名)にもEpi Laserに同じくウェルマン皮膚研究所がパテントを持つ接触型冷却システム(ChillTip)が採用され、ファイバーを用いないハンドピース一体型のレーザ機器を目指して開発を行い、1997年12月には、理想的な治験成績の結果から、脱毛レーザ機器としてFDAの承認を受けました。
その後、ハーバード大学同研究所と、Melanie C. Grossman, M.D.が移籍したニューヨークレーザ皮膚センターの2施設においてさらに詳しい臨床データが100例以上取られ、1999年4月には、Epi Laserと同じ「Permanent Hair Reduction」という表現を許されたレーザ機器として承認を得ました。
 
現在では、多くの脱毛レーザ機器が存在しますが、R. Rox Anderson, M.D.らのグループによって、早くからPermanent Hair Reductionの研究開発に利用されたこの2機種は、最も早く欧米向けに、そして全スキンタイプに対してPermanent Hair Reductionの承認を受けた脱毛レーザ機器として、他の医療レーザ脱毛にも大きく影響しているものと思われます。
また、この治験研究に続き、LightSheer Diode Laser Systemによる1000例に及ぶ全人種対象の追加臨床試験が実施され、全てのスキンタイプに対する高い脱毛効果と、表皮への副作用が調査されました。その結果、過度の日焼けをしていたスキンタイプ3の患者に、色素沈着と痂疵形成が発現し、スキンタイプ6(黒人)の患者に色素脱失が報告され、1000例中3例(0.3%)の副作用となりました。そのため、医療レーザ脱毛においては、過度の日焼けを禁忌とし、黒人の患者には慎重なエネルギー選択を促す事になりました。
また、日本国内にて実施された106例 (追跡は施術後7ヶ月~12ヶ月まで) の臨床使用試験においては、副作用が発現しませんでした。
これらの結果は、適切なパルス幅の設定と、ハンドピース先端に内蔵された冷却システム(ChillTip)を使用しコンタクト照射を行うことによって、表皮表面における過剰な熱変性が抑えられた事に起因されていると推測されています。

脱毛の原理

レーザ(Laser)とは Light Amplification by Stimulated Emission of Radiationの頭文字をとった造語で、原子にエネルギーを与え、励起させ、誘導放出にて得られたフォトン(光子)を増幅し、高輝度・高出力で発振させた光で、純粋に人工的な光です。
 
1)単色(単一波長である)
2)コヒレント(位相が揃っていて、干渉性に優れる)
3)コリメイテッド(直進性があり、光が広がらない)
という点で自然光/白色光と違った性質をもっています。
 
また、レーザは元になる媒質(原子/分子)によって固体レーザ・気体レーザ・液体レーザ・半導体レーザと分類が可能です。さらに、レーザの種類によってその波長が決まっており、波長の違いによりレーザ光の性質や“使いみち”が変わってきます。波長とは、光や電磁波を波として表現したときの山の頂点と次の山の頂点の間の距離で、通常はnm(ナノメートル)という単位で表現します。
 
レーザ光を含めた全ての電磁波は波長によってその性質が異なり、波長の短いものからX-線、紫外線、可視光線、赤外線、マイクロ波、電波となります。
 
我々が通常「光」と呼ぶものは可視光線でおおよそ400nm~700nmの範囲です。(その中でも波長の短いものから 紫→青→緑→黄→橙→赤と見えます)。 もちろん眼で見えなくても「光」は存在し、光も電波もX線も同じファミリーということになります。レーザ光も400~700nm内のものは目に見えますが、それ以外のものは目で見ることはできません。
 
光は波長によって、ある特定の物質における吸収度が変わり、皮膚や組織に当てたときの光の深達度も異なります。その性質の違いを利用し、何を治療するかによって使用するレーザが変わってきます。

毛の構造

図

レーザ脱毛

レーザ光は、生体の組織に照射したときに様々な作用を及ぼします。
「Photothermal=光温熱作用」、「Photochemical=光科学作用」、「Photomechanical=光音響/衝撃作用」、「Photo-biostimulation=光による生体活性作用」などです。
レーザ脱毛はその中の「Photothermal=光温熱作用」によって行なわれます。
 
光は何かに吸収されると、その光エネルギーを熱エネルギーに変え、光を吸収した組織を熱します。レーザ脱毛の場合は、毛に含まれるメラニンを標的として光を吸収させ、毛を熱することにより、その熱を周りにある毛包/外毛根鞘内の幹細胞(stem cell=毛の成長を指令する細胞)に伝え、破壊・変性させて毛の再生を止めるというメカニズムで行なわれます。脱毛ができるレーザは、メラニンに吸収される波長を利用しており理論的には600nmあたりから1200nmあたりまでが可能です。
 
現在脱毛に効果的である波長として、755nmのアレキサンドライトレーザ、800nmのダイオードレーザなどがありますが、共に近赤外線領域のレーザです。メラニンは可視光領域から赤外線領域にいくに従い吸収率が下がるため、アレキサンドライトレーザの方が、メラニンに吸収されやすいレーザとなります。しかし、人の皮膚組織にも多くのメラニンが点在しているため、副作用の危険性も増えます。1064nmのNd:YAGレーザも脱毛に使われますが、メラニンへの吸収度は極端に減ってしまい、毛にレーザが当たっても殆ど吸収されずに透過してしまいますので、かなり高いエネルギーを使用しないと、脱毛効果は期待できません。(ダイオードによって、効果的に脱毛できるエネルギーの4倍が必要と計算されています)そのため、R. Rox. Anderson博士はダイオードを用いた脱毛レーザ装置を考案しました。Anderson博士によると、最も効果的なレーザ脱毛を行うには、
1) 高いエネルギー(J/cm2)
2) 適切なパルス幅(ms:ミリ秒)
3) 適切な冷却 が必要条件であるとしています。
が必要条件であるとしています。

レーザー各種の波長(=脱毛効果の高さ)を比較

図図

物理

LightSheer Diode Laser Systemは、皮膚形成レーザ治療器の基礎とも言える”選択的光加熱分解論”に基づいて、その理論を提唱したハーバード大学にて開発されました。以下にその理論を紹介致します。
 
1983年Selective Photothermolysis Theory (選択的光加熱分解論)
表皮の熱緩和時間より長く、毛髪の熱緩和時間より短ければ毛髪はレーザのエネルギーを吸収し、熱を放出することができず、ダメージを受ける事になります。
 
選択的光加熱分解論に基づいています。標的組織で最適な効果を得ながら、周辺組織への影響を最小限に抑える、光の特定の波長とパルス継続時間の組み合わせ。毛幹内で発生した熱が濾胞上皮に拡散し、所期の損傷を起こします。
 
もう少し詳しく解説すると、例えば 樽に水をためるとします。
組織は、入ってきたエネルギーの50%を放出できれば、熱の影響を受けません。つまり、ゆっくり入ってきた水は(パルス幅がその組織の熱緩和時間より長い場合)、50%の位置にある熱放出の穴から出て行ってしまいます。ところが、早く入ってきた水(パルス幅がその組織の熱緩和時間より短い場合)は、50%の位置にある熱放出の穴からは放出しきれず、上から溢れてしまいます。つまり、その組織の中は水で一杯になります(破壊される状況になります)。よって、パルス幅の決め方は、そのパルスエネルギーとの相関関係も重要な要素ですが、基本的に、選択性のある範囲に自動設定する事で、表皮にダメージを与えず目標となる組織のみ(毛髪)を破壊する事が可能となります。
 
LightSheerは、5~30ms(400ms)のパルス幅を持ち、毛髪の太さによって調節できる副作用のない安全なレーザ脱毛が可能です。
また、LightSheerは発振媒体であるダイオードが消耗せず、メンテナンスが圧倒的に少ないという点です。

図

エネルギーは皮膚を通過し、標的組織に吸収されなければならない。エネルギーのパルスは標的の熱緩和時間(TRT)以下でなければならず、標的で所期の効果を得るのに十分なエネルギーがなければならない。

ETハンドピースの作用メカニズム

安全性の向上:

ChillTipTMコンタクトクーリングにより、優れた表皮の保護を実現します。快適性の向上:皮膚の連続冷却により、疼痛と不快感が大幅に軽減されます。

安全性の向上:

皮膚を圧迫して表皮付近の毛包を回転させ、血管を押さえることにより競合発色団を減少させます。高フルエンスにより、精度が要求される部位、細い毛、色素が薄い毛の治療も可能です。

イメージ図

皮膚を治療前および治療中に冷却します。

イメージ図

皮膚を圧迫します。レーザビームを皮膚に照射し、目標組織を破壊します。

HSハンドピースの作用メカニズム

皮膚に吸引圧力をかけることで、表皮を伸展させて表皮のメラニン密度が減少させます。熱による表皮のダメージが最小限に抑えられるとともに、毛および毛包のメラニンへの光吸収を最大化できます。したがって疼痛と熱傷のリスクを軽減させることが可能となりました。

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