ニキビは皮脂を過剰に分泌させ毛穴を詰まらせることで炎症が起こっている状態です。では、なぜ皮脂が過剰に分泌されるのか、毛穴が詰まるのか、どのような流れでニキビができていくのかを解説します。
目次
皮脂が過剰に分泌される、3つの要因
① 過剰なストレス
現代社会は、人間関係・勉学・仕事・家庭・子育てなど様々なことでストレスを感じる世の中です。人はそういったストレスを感じすぎてしまうと、脳が「身の危険が迫っている」と判断し、自律神経から警戒態勢を取るように指示を出します。指示を受けると体の機能を高めるような働きがある物質(男性ホルモンやアドレナリン)を分泌させます。この物質(男性ホルモン・アドレナリン)は皮脂を分泌させる働きに作用したり皮膚を硬く厚くして守ろうという作用があります。
そのため、通常よりも皮脂が過剰に分泌され、皮膚が硬く厚くなることで詰まりやすくなるので、毛穴が詰まり炎症を起こしニキビとなってお肌のトラブルとして現れます。
② 乾燥肌
毛穴を皮脂が詰まらせ炎症を起こさせると聞いて、「油っぽい肌の人がニキビになりやすい」というイメージを持たれる方もいますが逆に乾燥している肌でも皮脂が過剰に分泌されます。
お肌の乾燥は、角質の水分が不足している状態です。お肌の水分はもともと紫外線や刺激から守るためのバリア機能を担っていますが、不足しているとバリア機能が正常に機能しません。
そうすると、お肌はバリア機能を正常に働かせようとするため、皮脂の分泌を促し水分の代わりにバリアしようとします。それが皮脂の過剰分泌の原因となることがあります。
③ 油っぽい食事、糖分の多い食事、アルコール
昨今、ダイエットや糖尿病予防の一環で食事の油を吸収しない飲み物が数多く販売されておりますが、ダイエットや糖尿病に限らずニキビ予防にも繋がります。
油っぽい食事は体内に大量の油を摂取しているので脂質の貯蔵が増えます。そうなると皮脂の分泌が過剰になるため、ニキビができやすくなります。
また、食事という面でいくとケーキやチョコレートといった糖分の多い食べ物やアルコールも過剰に摂取しないほうがいいでしょう。
糖分は、必要以上摂取すると体内で「脂肪」として蓄積していきます。当然、油っぽい食事と同じことを意味します。また、糖分を大量に摂取すると血糖値が上昇しインスリンという物質が分泌されます。インスリンは皮脂腺を刺激しますので皮脂分泌が活性化されます。
アルコールは、原料として多くの糖分が含まれているのでケーキやチョコレートと同様です。さらに、アルコールは皮脂の分泌をコントロールしてくれるビタミンB2やB6といったビタミンB群を消費してしまいます。コントロールできなくなると、これも皮脂の過剰分泌に繋がります。
毛穴が詰まる、2つの要因
① 間違った洗顔・メイク落とし
洗顔するとき、女性の場合はメイク落としでファンデーションなどがきちんと落とせていないと、それらが毛穴にフタをしてしまいます。そうすると毛穴の中で古い皮脂や汚れが溜まっていき、アクネ菌が増殖し炎症を起こした結果、ニキビとして現れます。
男性の場合は、女性の逆で皮脂をちゃんと落とそうと力強くゴシゴシ洗ったり油分を無くし過ぎることで乾燥肌になり、結果皮脂が過剰に分泌されてニキビになってしまうことが多いです。
② 睡眠不足
お肌は、だいたい28日周期で古いお肌(角質)や汚れを排出し新しいお肌へ生まれ変わっていきます。これをお肌のターンオーバーというのですが、成長ホルモンがもっとも分泌される22時〜3時で、且つ眠りについて3〜4時間後ぐらいがもっとも活発に動いている時間といわれております。
あまりに遅い時間まで起きていたり、睡眠時間が短かったりするとお肌のターンオーバーが正常に働かず古いお肌(角質)や汚れが蓄積していき、毛穴の詰まりの原因となっていきます。
皮脂の過剰分泌➡️毛穴詰まり➡️ニキビができる流れは?
皮脂の分泌により毛穴が詰まってしまうと、アクネ菌が増殖し炎症で皮膚表面で隆起します。第1段階で治療を開始すると正常なお肌に治るまでさほど時間はかかりませんが、放置する時間が長くなるほど治療には時間がかかることが多いです。
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- 第1段階
- 毛包漏斗部の角化異常
皮脂が毛穴を詰まらせ、炎症を起こす「アクネ菌」が増殖し始めます。
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- 第2段階
- 炎症・感染
アクネ菌の増殖により炎症が広がります。放置する時間が長くなるほど治療が長期間になりやすいです。
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- 第3段階
- 色素沈着
炎症が皮膚内で色素沈着を引き起こします。赤いもの、茶色く沈着したものなど、皮膚の真皮までダメージを受け凹んだもの(クレーター)など。